3月24日(オーストリア・ウィーン現地時間)、IAEA(国際原子力機関)は、東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の安全性に関するレビューの一環として、職業的な放射線防護の能力の裏付けのための「内部被ばくに関するモニタリングの裏付け:試験管内分析及び生体内測定による放射能のバイオアッセイ(生物学的試験)の実施」に関する報告書を公表しました。
本報告書では、内部被ばく線量を評価するためのバイオアッセイを対象とした分析機関間比較(Interlaboratory Comparison : ILC)の結果が記載されるとともに、作業員の体内への放射性核種の取り込みに起因する排泄物及び人体中の放射能を正確に測定する能力を東京電力が有していると結論づけられています。
1.概要
3月24日(オーストリア・ウィーン現地時間)、IAEAは、ALPS処理水の取扱いに関する安全性レビューの一環として、「内部被ばくに関するモニタリングの裏付け」に関する報告書を公表しました。
IAEAが行うレビュー活動は、(1)防護と安全性の評価(対象:東京電力、経済産業省)、(2)規制活動とプロセス(対象:原子力規制委員会)、(3)サンプリング・独立した分析・データの裏付け(IAEAによるモニタリング検証活動)の3つで構成されます。本報告書は、このうち、(3)に該当する活動の一環として、ALPS処理水の取扱いに携わる作業員の被ばく管理のため、当該作業員の内部被ばく線量をモニタリングする東京電力の分析能力を分析機関間比較の結果とともに報告するものです。
本分析機関間比較では、IAEAの研究所及び東京電力を含む参加分析機関が内部被ばく線量を評価するためのバイオアッセイを行い、分析値の比較により、測定の正確性を評価し、結果としてまとめています。バイオアッセイでは、具体的には、(1)試験管内分析(間接的モニタリング、本試験のために放射性核種を添加した尿のサンプルを分析し、放射能の濃度を測定)と、(2)生体内測定(直接的モニタリング、放射性核種を埋め込んだ人型の模型をホールボディ・カウンタにより検査し、模型中の放射能の総量を測定)の2種類の方法を実施しています。
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