オガサワラカワラヒワは、絶滅危惧種であり「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく国内希少野生動植物種に指定されており、生息域外保全事業の一環として、恩賜上野動物園(園長 福田豊)や父島施設において飼育繁殖に取り組んでいます。
このたび、オガサワラカワラヒワが産卵・孵化し、動物園として初めて恩賜上野動物園で2羽、父島の2施設で4羽が巣立っています。
1.経緯
恩賜上野動物園ではこれまで、母島属島に生息し絶滅が危ぶまれている小笠原諸島の固有鳥類であるオガサワラカワラヒワの保全に貢献するため、本土に生息する近縁種であるカワラヒワを導入し、飼育繁殖技術の確立に努めてきました。また、オガサワラカワラヒワの保全に関する技術の開発や普及啓発に、関係各局や地元活動団体等とともに取り組んでいます。
2021年度から父島の施設においては、生息域外保全の取組として、環境局及び小笠原支庁による捕獲個体の飼育の試みが進められてきました。
これらの保全の取組にも関わらず、近年の気候変動等の影響による個体数の減少が報告され、動物園においてもオガサワラカワラヒワの飼育下繁殖の必要性が高まったことから、2025年3月18日に父島内の施設から2羽を恩賜上野動物園に受け入れました。そして2025年7月、産卵を経てヒナ2羽が孵化し、無事巣立ちに至りました。また、父島の施設では、同年6月にヒナ1羽、7月に3羽が巣立ちに至っています。
コメント