近年、環境意識の高まりやエネルギー価格の上昇により、省エネ住宅の需要が増加しています。特に戸建て住宅では、快適な住環境を維持しつつエネルギー効率を最大化することが求められています。
そこで本記事では、建築家や設計士の皆様が知っておくべき「省エネ計算の基礎」と省エネ計算などを外注する際の「見積りのポイント」を徹底解説します。

省エネ計算の基礎知識

省エネ計算の目的

省エネ計算は、住宅の年間エネルギー消費量を定量的に評価し、設計の段階で適切な改善を行うための重要なプロセスです。これにより、以下の利点が得られます。

法令遵守:住宅の省エネルギー基準を満たしているかを確認できます。
施主への説明:具体的な数値を示すことで、施主の理解と納得を得やすくなります。
補助金申請:省エネ住宅の補助金制度や優遇制度の条件達成を確認できます。

特に、2025年以降は省エネ基準適合が義務化されるため、確実な省エネ計算が必要です。

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計算に必要な要素

省エネ計算には以下の情報が必要です。

外皮性能(UA値・ηA値):断熱材や窓の仕様を元に住宅全体の熱損失を計算します。
一次エネルギー消費量:住宅の給湯・換気・冷暖房・照明設備が消費するエネルギーを計算します。
断熱仕様:断熱材の種類、厚さ、施工方法などを確認します。
窓、開口部:窓ガラスの仕様やシャッター、庇の有無が計算に影響します。
換気、冷暖房システム:熱交換型の換気システムや省エネ性能の高い冷暖房設備を採用している場合、計算値が大きく変わります。