省エネ性能を確保するための計算は、住宅や非住宅の見積りを行う際に極めて重要です。しかし、計算の見誤りや誤解により、予算オーバーや施工トラブルに発展するケースも少なくありません。
見積り依頼時のトラブルを未然に防ぐための、注意すべきポイントを5つ紹介します。

設計情報の不備による計算誤差を事前に防ぐ

省エネ計算を行うためには、設計情報の正確な提供が不可欠です。設計段階で以下のような情報不足があると、計算精度が低下し、見積りに大きな影響を及ぼします。

・断熱材の種類や厚み
断熱材は省エネ性能に直結する要素です。種類によって熱抵抗値が異なるため、誤った情報が反映されると正確な省エネ性能が算出できません。

・開口部の面積や仕様
窓やドアなどの開口部は、外皮性能に大きな影響を与えます。面積や仕様が誤って計算されると、建物全体の断熱性能が低く見積もられることがあります。

・換気設備の種類と性能
換気設備の種類や換気回数の設定も重要です。これらが不明確だと計算結果が不正確になり、省エネ基準を満たさない恐れがあります。
設計情報の不備は、後工程で設計変更や補正が必要となり、結果的に工期延長やコスト増加につながるため、設計者と計算担当者の綿密な情報共有が求められます。