今月のテーマ
サンデンフォレスト
[サンデン株式会社]
日本百名山の一つ、群馬県・赤城山の南麓に位置するサンデンフォレストは、カーエアコンなどを製造するサンデン株式会社が、「環境と産業の矛盾なき共存」をコンセプトにつくった事業所です。
企業が環境保全に取り組むことが当たり前とはいえなかった1997年に、サンデン株式会社が環境共存型の工場を目指し、総面積64ヘクタールもの広大な土地に建設を開始しました。そして、2002年に開設されたのが、敷地の半分を工場、半分を社有林とした『森の中の工場』のサンデンフォレストです。
サンデンフォレストの特徴について、サンデン株式会社 施設管理セクションECOS(イーコス)チームの福田博一さんに伺いました。
「事業部名のECOSとは、Environmental Coordination Operation Staff(環境連携業務スタッフ)の略で、弊社の前会長の知り合いだった作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんが名付け親です。森と工場を共存させるという活動の出発点にはC・W・ニコルさんの助言があり、造成には『近自然工法』を採用しました。これは、『生態系が復元するように整備する工法』で、例えば、コンクリートで壁面を塗るのではなく、石積みにして、石の隙間に生き物がすめるようにし、草が生えやすくなる環境をつくります。また、新しく工場を造る場合に雨水を一時的に溜めておく調整池の設置が義務づけられていますが、サンデンフォレストでは調整池に水深の浅い所と深い所を設けたり、水鳥や亀が休息できる石の島を置くなどをしています。このようにいろんな生き物が生息できる空間(ビオトープ)を各所で施しており、この工法は当時、民間では初めての試みでした」
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