2023年9月27日、広島県広島市にて開催された第3回アジアCCUSネットワークフォーラムにおいて、経済産業省(以下、METI)は、独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)及びマレーシア国営石油会社ペトロナス社(以下、PETRONAS)と、日本とマレーシアの2国間で温室効果ガス削減に貢献するCCS※事業を実現するために、二酸化炭素の越境輸送・貯留に関する協力覚書(以下、MOC)を署名しました。
※ CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素回収・貯留)の略
1.背景
2020年10月、日本は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル目標を掲げ、2021年4月には2030年度において温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを宣言しました。
また、「GX実現に向けた基本方針」注1では、2030年までのCCS事業開始に向けた事業環境を整備するため、模範となる先進性のあるプロジェクトを支援していく方針を示しています。
この方針に基づき、本年6月、CCS事業の本格展開のために2030年までの事業開始と事業の大規模化・圧倒的なコスト削減を目標とする「先進的CCS事業」として、海外2案件(マレーシア・太洋州)を含む7案件を選定しました注2。
様々な資源を有するマレーシアは、日本にとって長らく重要なパートナーであり、本邦企業が参画する多くのエネルギー事業が進展してきました。その中で、マレーシアは二酸化炭素(CO2)の地中貯留適地が豊富であることから、日本国内の産業界で排出されたCO2を同国へ輸送し、貯留する事業が検討されています。
コメント