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三千院[宗教法人 三千院]
京都府京都市の北部、比叡山のふもとに広がる美しい里山・大原。古くから貴族や念仏修行者がひっそりと暮らした地として知られ、来迎院、勝林院、寂光院など、歴史ある寺院が数多くあります。そのひとつ、天台宗の三千院は、寛和2年(986年)に創建されてから明治初期まで、皇族ゆかりの門跡寺院として長い歴史を刻んできました。
スギやヒノキなどの高木に覆われた境内には、国宝「阿弥陀三尊坐像」が安置される「往生極楽院」をはじめ、お堂や石像が点在し、その周囲を取り巻く池や緑と調和して落ち着いた佇まいを見せています。平安時代に造られた「聚碧園(しゅうへきえん)」と「有清園(ゆうせいえん)」は、江戸時代の茶人・金森宗和によって改築されたと伝えられる名庭園で、特に紅葉のシーズンには多くの参拝者や観光客が訪れます。
景観を保つために、境内は人の手で細やかに管理し、大原ならではの自然をできる限り生かしている点が大きな特色。地域に自生するシャクナゲやヤマザクラ、カエデ類、大原の固有種である大原菊などが、四季折々の美しい景観を生み出します。近隣の山から流れ出した律川と呂川が境内を南北に平行して流れ、律川から水を引いて作られた弁天池とその周辺では、サンショウウオやモリアオガエルなどの両生類、ゲンジボタルをはじめとする昆虫類など、多様な生き物が確認されています。
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