今月のテーマ
橋本山林
[自伐型林業推進協会]
林業家として森林経営と生物多様性保全の両立を目指す貴重なモデルが、徳島県那賀町にあります。面積の約95パーセントが森林の町で、明治時代から4代にわたり専業で自伐(じばつ)型林業を行っている橋本山林です。
橋本山林では自伐型林業により、『経済性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営』に取り組んでいます。自伐型林業は、広範囲の木を一斉に切り落とす皆伐(かいばつ)を行わず、定めた範囲内を定期的に伐採していく間伐をすることによって、その土地の土壌を弱めることなく、災害に強く生態系豊かな森林をつくることを目的としています。
橋本山林は明治40年ごろから、家族で自伐型林業を営んできました。初代の考えがすでに生物多様性保全につながるものであり、現在もその考えは橋本光治さん、延子さん、息子の忠久さんの親子3人に引き継がれています。長年の活動によって、110ヘクタールもの山林にスギを中心とした人工林のほか、モミ、ケヤキ、シイ、カシなどが生育するといった、針葉樹と広葉樹が混交しているのが特徴です。そして、250種以上の植物種が存在し、そのうちの10種は徳島県の絶滅危惧種となっています。
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