4月28日・29日、フランス・パリにて第140回OECD造船委員会が開催され、近年の中国の受注シェア拡大等を受け、造船委員会非加盟国である中国への働きかけを強めていくことを確認しました。 |
1.日程・出席者
日 程:令和7年4月28日(月)、29日(火)(フランス・パリ/WEB併用)
出席者(日本側):国土交通省海事局、(一社)日本造船工業会
2.主な議論
(1)造船市場の現況
造船市場における船価モニタリング結果が報告され、近年、中国が受注シェアを急拡大していること、中国建造船は低船価で受注している案件が多いこと等が指摘されました。議論の結果、新たに政府の支援策が船価に与える影響について調査をしていくこととなりました。
また、公正かつ健全な造船市場を確保するためには、造船委員会非加盟国である中国等を交えて議論すべきである旨、日本を含む各国から指摘があり、OECD事務局から中国に対して参加の働きかけを強めていくことを確認しました。
(2)2025-2026年の作業計画
造船市場の公正な競争条件を維持するため、加盟国間で他国の支援政策等の相互チェックを行う等のこれまでの取組を継続して実施することが合意されました。加えて、中国等の造船委員会非加盟国による新たな船舶融資の動向と影響を把握するための調査を行うことにも合意しました。
また、政府系金融機関による船舶輸出金融ルール(船舶セクター了解)に国際海運の脱炭素化促進を目的とした融資条件を盛り込むための改正案を我が国主導で議論している専門家会合※について、同改正の適用対象となるグリーンシップの案が報告されるとともに、本年6月の次回会合で同案の大筋での合意に達するべく、引き続き検討することが確認されました。
※2024年3月に造船委員会の下の非公式会合として設置(議長:ノルウェー、副議長:日本)。直近では本年3月に会合を開催。
(3)韓国政府による自国造船業への支援
韓国政府系機関等による造船業への前受金返還保証などの金融支援について、造船市場の公正な競争を歪める恐れがある点を指摘しました。公正な競争条件を確保するため、引き続き、韓国政府の支援施策を注視し、必要な対応を行っていくこととしています。
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