近年、住宅の省エネルギー性能がますます重視されるようになりました。特に、断熱性能や気密性を数値で評価する「外皮性能(がいひせいのう)」は、住宅の快適性や光熱費に大きな影響を与える重要な指標です。
省エネ基準や長期優良住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの認定を受ける際にも、外皮性能の計算は欠かせません。本記事では、外皮性能の意味から、UA値・ηA値の計算方法、地域ごとの基準、評価に使われるツール、性能を向上させる工夫まで、詳しく解説します。

外皮性能とは?

「外皮」とは、建物の室内と外気に接する部分の総称で、屋根、外壁、床、開口部(窓・ドア)などを指します。外皮性能とは、この外皮部分を通じてどれだけ熱が逃げるか、あるいは入ってくるかを評価する指標です。外皮性能は、主に以下の2つの数値で評価されます。

UA値(外皮平均熱貫流率):外皮を介して住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値
ηA値(冷房期の平均日射熱取得率): 家がどれだけ日射熱の影響を受けるかを示す数値

これらの数値を計算することで、建物がどれだけ外気温の影響を受けにくいか=エネルギー効率が良いかを定量的に把握できます。