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自然環境

第56回ガンカモ類の生息調査(全国一斉調査)結果(速報)

1. ガンカモ類の冬期の生息状況把握のため、各都道府県の協力の下、1970年から毎年調査を実施しています。 
2. 今回(2025年1月)の観察数(速報値)は、ハクチョウ類約7万3千羽、ガン類約28万2千羽、カモ類約152万6千羽でした。

■第56回調査の概要

・目的:国や自治体における野生動物保護管理行政(鳥獣の保護管理、希少種の保全、外来種・鳥インフルエンザ対策等)に効果的に活用されるよう、我が国のガンカモ類の冬期の生息状況を把握する。

・調査日:原則として2025年1月12日(日)を基準日とした前後1週間に実施。


・調査地:ガンカモ類の生息地となっている全国約8,700地点の湖沼等
(ハクチョウ類及びガン類については、原則として全生息地を対象、カモ類については、可能な限り多くの生息地を対象とした。)

・調査方法:上記調査期間中に、各都道府県において各調査地点に調査員を配置し、双眼鏡等を使用した目視により、ガンカモ類の個体数を種ごとにカウント。
 

・調査者数:ボランティアの調査員など約3,600人の協力を得て実施。

・集計:各都道府県が実施した調査の結果を環境省が集計。

■第56回調査結果の概要

 全地点のうち約6,400地点でガンカモ類が観察され、そのうちハクチョウ類は約650地点、ガン類は約160地点、カモ類は約6,200地点で観察されました。全国での観察数は、ハクチョウ類(4種)約7万3,700羽、ガン類(8種)約28万2,900羽、カモ類(32種)約152万6,600羽であり、これらの総数は約188万3,400羽でした(資料2、表1)。

(1) ハクチョウ類について
 ハクチョウ類の観察数約7万3,700羽を10年前(2015年)と比較すると、約6%(約4,000羽)増加していました。過去20年間の調査結果の推移を見ると、2006年の約8万1,500羽から2012年には約5万8,600羽まで減少したものの、以降はおおむね7万羽前後で推移しています(資料2、図1)。また、都道府県別に見ると、今期の調査では新潟県が約2万600羽、宮城県で約1万5,600羽、岩手県で約6,700羽と観察数が多く、この3県で、全国の観察数の約58%を占めていました(資料1)。
 
(2) ガン類について
 ガン類の観察数約28万2,900羽を10年前と比較すると、約34%(約7万1,000羽)増加していました。過去20年間の調査結果の推移を見ると、2020年までは増加傾向にありましたが、2021年は大きく減少し、2022年には増加に転じ、2023年には20年間で最大の観察数まで増加しました。2021年の観察数の減少は、2020年末からの寒波により、ガン類の主要な渡来地である東北地方の湖沼の凍結や、積雪量の増加などにより、ガン類が分散して飛来し、過年度と比較して観察個体数が減少した可能性が考えられます(資料2、図2)。ガン類のうち、観察数の多い2種の個体数を前年と比較すると、ガン類の約90%を占めるマガンが約4%(約1万800羽)増加、約5%を占めるヒシクイが約1%(約80羽)増加していました。また、国際的な保護増殖活動が実施されているシジュウカラガンはガン類の約3%を占め、前年と比較すると約519%(約6,900羽)増加していました。

(3) カモ類について
 カモ類の観察数約152万6,600羽を10年前と比較すると、約5%(約7万8,200羽)減少していました。過去20年間の調査結果の推移を見ると、2009年から減少傾向が見られた後、2014~2020年は160万羽程度が維持されていましたが、2021年は150万羽を下回り、2022~2025年は増加に転じ160万羽程度となりました(資料2図3)。また、観察数が10万羽を超えた県は、茨城県(約13万3,400羽)、千葉県(約13万6,300羽)でした(資料1)。カモ類のうち観察数の多い上位6種の個体数を前年と比較すると、マガモが約12%、カルガモが約2%、コガモが約4%、オナガガモが約3%、ヒドリガモが約13%、スズガモが約24%、減少していました(資料2、表2及び図4)。

(4) 飼養品種(任意報告項目)について
 調査中に観察された飼養品種については、アイガモが東京都、京都府で計69羽、アヒルが京都府で計14羽、バリケンが沖縄県で8羽の計3種が報告されました。

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